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夢路にはあしもやすめず通へどもうつつに一目見しごとはあらず
(恋歌三 658)
(私訳)
(語句説明)
夢路には
(夢の中の通い路では)
あしもやすめず
(足も休めないで)
通へども
(通っているが)
うつつに一目
(現実に一目)
見しごとはあらず
(会ったほど(楽しくは)ない。(「ごとは」は、「ごとくは」の省略形))
(解説?)
「夢路」は、王朝和歌で好んで使われた歌語だそうです。(参考文献5)
また、「見しごとはあらず」は、「見しことはあらず」(逢ったことがない)とする説もあるそうです。(参考文献6)
ある小説では、この三作を作った時、小野小町は天皇の妻の一人であったとしています。
藤原氏の妻に気を使って、天皇は小町の所に来てくれない。
どうも、あの小説を読んでから、他の解釈ができなくなっちゃいました。