うつつにはさもこそあらめ夢にさへ人目をよくと見るがわびしさ
(恋歌三 656)
(私訳)
起きている時には
人目があって会いに来てくれないのは分かるけど
夢の中だったら
人目を気にしないでもいいじゃない?
どうして私の夢に来てくれないの?
さみしすぎる
(語句説明)
うつつでは
(「うつつ」=「現」=現実では(第3句の「夢」と対比する))
さもこそあらめ
(そうだろう=「人目をよく」=人目を避けるだろう)
夢にさへ
(夢の中でさえ)
人目をよくと
(人目を避ける)
見るがわびしさ
((様子が夢の中で)見られるのがわびしい)