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思ひつつ寝ればや人の見えつらむゆめとしりせばさめざらましを
(恋歌二 552)


(私訳)
あの人のことを思いながら眠ったら
一瞬、あの人に会えた
夢と知ってたら眠ったままでいたのに

(語句説明)
思ひつつ
(恋しい人をいつも思って)

寝ればや人の
(眠ったからだろうか?あの人が)

見えつらむ
(夢に見えたのだろうか?(その直後、目覚めてしまったので))

ゆめとしりせば
(夢と知っていたら)

さめざらましを
(目覚めないでいたのに)


夢に恋しい相手が現れる場合、
1)自分が相手を思っている
2)相手が自分のことを思っている
の二つの場合があると考えれていたそうです。
この歌の場合は、1)で、相手は自分のことを思っていない、片思いの状態を歌っているのだとか。